船場虎島といえば出汁というお客様が多いです。
昨今、つゆしゃぶ、出汁しゃぶしゃぶなど、だしで食べる鍋はたくさんありますが、当店はオープン当時から船場牛鍋がありました。
しゃぶしゃぶ用薄切り牛肉を出汁で食べるスタイルです。
一人鍋用を船場牛鍋、鍋を囲むしゃぶしゃぶスタイルを「だししゃぶ」と分けて呼ぶようになりました。
口にするのは恐れ多いですが、だししゃぶの元祖といってもおかしくはないほどの歴史を持っています。
当店の出汁は投入する食材のうま味を活かせるよう引き算して作られています。
船場牛鍋では、淡路産の玉ねぎの甘み、やささがきゴボウでは炒めた香ばしさなどが加わり炊きあがった時に完成された出汁になるようにしています。
だししゃぶでは、「だしを飲みすぎてすみません。」とお客様に言われるほど食材から主役の座を奪う存在で、だしごと食べるしゃぶしゃぶを目指しただしです。
そもそも「だし素材」昆布にはグルタミン酸、かつお節や煮干しにはイノシン酸、椎茸にはグアニル酸など多くの旨味成分が含まれています。
グルタミン酸とイノシン酸を1対1で合わせた時、うま味は2倍ではなく7~8倍感じることが知られています。
だしには基本があるので、本質的なだしを本物ということが出来ますが、食におけるだしってもっと自由で良いんだと思います。
こんなだしがあったのか!こんなにだしって美味しく変わるんだ!
だしを創作する楽しみが、だししゃぶにはあります。だから〆が待ち遠しい。
だししゃぶ、船場牛鍋共にいつも注文してくださるお客様。いつもありがとうございます。
食べたくなった時が食べごろです。